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【医療/がん】入院日数は短縮傾向にある?

病院の入院日数が年々短縮する傾向にある、と言われています。医療保険では入院日数や手術の有無により保険金が給付されることも考えると、ちょっと気になる話題ですね。

一緒に見ていきましょう。

更新日:2012年06月12日

入院日数は短くなったのか?

平均入院日数は、平成2年は44.9日でしたが、平成11年は39.3日、平成20年は35.6日と、18年間で9日も短くなっています。(*厚生労働省「平成20年患者調査」より)

 

(理由その1) 医療技術の進歩により体への負担が少ない治療を選べるようになったことが挙げられます。例えば胆のう摘出手術を受ける場合、従来の開腹手術ではなく、内視鏡手術が一般的になっています。数ヶ所、あるいは一ヶ所だけを小さく切開し、内視鏡やメスを入れて手術をするので、開腹した場合に比べ傷の治りが早いという利点があります。また、がん治療では、外科的な手術に加え、手術の前後に抗がん剤投与等の化学療法や放射線治療を行いますが、化学療法や放射線治療は通院でも行えるようになってきたこともその一例です。

 

(理由その2)診療報酬の改定も理由に挙げられます。診療報酬とは、国が定める保険診療の価値ですが、基本の「出来高払い方式」では、初診料、検査、投薬、手術等、保険診療ごとに点数が決められています。入院に関しては、入院基本料と入院期間による追加料金で構成されますが、入院日数によって加算される追加料金は、14日以内の入院では一日あたり450点、15日~30日は192点と、短期入院の方が高い点数となる設定です。

 

また「出来高払い方式」に加え、2003年にはDPC(診断群分類別包括評価)に基づく「包括払い方式」が導入されました。「包括払い方式」は、投薬、検査、入院料等を包括した1日あたりの定額払いで、大病院を中心に、全国のベッド数の半数以上の病床が評価されるようになっています。質の高い医療を提供し、患者の負担を少なくして早期の社会復帰を図ることが目的とされますが、言い換えると、①入院日数が短く、②救急患者を多く受け入れ、③高度な手術を多くするほど、病院としても、診療報酬上のインセンティブを得られるというわけです。こうした制度上の変化も、入院日数の短縮の一因と考えられます。

 

 →知っておきたい入院日数に関する事実

 全体としては入院日数が短縮しているとはいえ、高齢になるにしたがい長期化することも事実です。35歳~64歳の平均入院日数が29.5日なのに対し、65歳以上では47.7日、75歳以上は54.2日と、長期になっています。(*)

 

また病気によっては、入院期間が長期間に及ぶ、または入退院を繰り返すこともあります。脳血管疾患では1回の平均入院日数が104.7日(*)と長く、また、がんは22.4日(*)であるものの、入退院を繰り返す傾向にあることはよく理解しておきたいことです。医療保険では、同じ傷病で入退院を繰り返し、前の退院から180日以内に再入院する場合には、通算して1回の入院とみなされるので要注意です。

 

→まとめ

医療に関しては、報道や雑誌等で取り上げられる機会が多いですが、医療技術の進歩、国の医療制度などについても理解を深め、ニュースを読み解くきっかけになればいいですね。

 

小林 陽子(コバヤシ ヨウコ)

小林 陽子
相談する
所属会社 ファイナンシャルアライアンス株式会社
資格 CFP、証券外務員資格
経歴 大学卒業後、法律事務所へ。その後CFPを取得し、不動産関連の会社で、お客様へファイナンシャルプランナーとして住宅購入時の保険の考え方についてコンサルティングを実施。その後より保険のコンサルティングへ傾注するため現職へ。現在2児の母。
趣味 フルート演奏、水泳
対象エリア 東京、埼玉県