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【マネー知識】預金は本当に一番安全?~預金とペイオフ~

 一昨年9月、日本振興銀行が経営破たんし、日本で初めて「ペイオフ」が発動されました。預金残高は約5800億円、名寄せの結果1000万円を超えた預金者は全体の約3%でその総額は約110億円であったそうです。

 

金融機関の破たんはこれまでも何度かありましたが、いずれも受皿銀行等が現われたため、1971年の預金保険機構設立以来ペイオフが発動されたことはありませんでした。

更新日:2012年04月10日

 ペイオフとは、金融機関が破たんした場合行われる預金者保護の一つで、一人あたり「1,000万円とその利子」を上限に預金を保護する制度です。バブル崩壊後、金融機関の破たんが相次いだ1996年から2002年までペイオフは一時凍結され、預金は何があろうと国が全額保護していた時期がありました。その後、20024月に定期性の預金が全額保護から外れ、20054月には全面的にペイオフ解禁となりました。但し、当座預金や利息の付かない普通預金等など決済用預金に関しては、現在も全額保護となっています。

 

 預金は、間接金融の代表的な金融商品です。一番安全な金融商品と言われていますが、私たちが預金したお金は金融機関にとどまって守られているわけではありません。金融機関の資産と一緒になって融資先等に流れています。金融機関が破たんした時に、預金者に払い戻すお金はないかもしれません。おそらくない可能性が高いでしょう。そのような場合に備えて、金融機関は預金保険という保険に加入して、いざという時に保険金を受け取れるようになっているのです。これが、「上限1000万円とその利子」に充てられる財源で、「付保預金」と呼ばれています。

 

 そもそも、お金を預かってもらっているのに保管料も取られず、どんなにわずかでも利息がもらえる「預金」とは一体何なのでしょうか?

「預金とは、銀行や金融機関に金銭を預託し、その保管と運用を依頼すること。預金は金融機関からは債務であり、預金者側からは金融機関に対する支払請求権である。」

つまり、預金とは金融機関に「お金を預ける」というより、「お金を貸す」と考えた方がいいかもしれません。お金を貸した先が破たんしてしまったら、そのお金は返ってこないかもしれない、但し、保険金があるので一定額までは返ってくると考えた方がいいでしょう。

 

預金保険制度について知っておくべきことがあります。

預金保険制度の対象とならない金融商品があります。

外貨預金、譲渡性預金、無記名預金、架空名義の預金、元本補てん契約のない金銭信託など(ヒット・スーパーヒットなど)

 

支店ごとではなく1金融機関の中で名寄せ(合算)されます。

個人事業主の「事業用預金」と「個人預金」は同一人の預金として名寄せされます。

確定拠出年金の定期預金も個人の口座と合算されます。

住所や姓が変わっている場合は、早めに変更手続きをしておきましょう。

 

ペイオフが発動され、複数の預金があった場合には保護される優先順位があります。

      満期が設定されていないもの(普通預金・貯蓄預金等)

      満期日があるものは、満期の早いもの

      満期日が同じ場合は、金利の低いもの

      満期日、金利が同じ場合は、預金保険機構が指定する

尚、担保設定されているものは優先順位が最も低くなります。総合口座で当座貸越が発生している場合の定期預金は担保設定されているものとみなされます。

 

・住宅ローンを借りている金融機関が破たんした場合

過去に延滞などがなく正常な債権とみなされれば、そのまま返済を続けていくことになります。ローンがなくなることはありません。又、「ローンの残高」と「1,000万円とその利子」が相殺できる場合もあります。

 

 銀行の不倒神話が崩れた今、大事な預金を預ける金融機関を選ぶことはもちろんですが、預金以外の金融商品にも目を向けて、大切な資産を分散することも必要ではないでしょうか?

加藤 恵子(カトウ ケイコ)

加藤 恵子
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所属会社 有限会社TIC
資格 CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー、日商簿記2級、証券外務員資格、トータルライフコンサルタント、損害保険特級資格
経歴 代理店業務のほか、金融機関、各地商工会議所・法人会などでの講演、資格取得講座での講師、大学ではFPや保険についての授業を担当しています。主な著書は、「日経 金融商品の選び方」「ライフプランがあなたの資産を殖やす」(日本経済新聞社)、「夫婦で考える保険」(ビジネス教育出版社)「知って得するマネーの常識」ブレーン「やさしい経済学」(NTT出版)、「FPの知恵袋」(ビーケイシー)、その他、新聞・雑誌への寄稿多数。
趣味 バンドのヴォーカル
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